ライトワンス 【write once】 WORM / Write Once Read Many

概要

ライトワンス(write once)とは、ストレージ装置記憶媒体(メディア)の性質の一つで、一度書き込んだデータの書き換えや消去ができないこと。媒体の物理的な性質を表す場合と、データ保護機能として提供される場合がある。

CDDVDBlu-ray Discなどの光学ディスクの中には、空のディスク利用者データを書き込むことが可能だが、一度記録された内容が消去・書き換えできないタイプのものがある。これを「ライトワンス型ディスク」「追記型ディスク」といったように呼ぶ。CD-RDVD-RBD-Rなどが該当する。

磁気テープの場合、カセットやカートリッジに設けられた突起(爪)を折ることで上書きを禁止できるものがある。フロッピーディスクなどの磁気ディスクの場合には、ジャケットの切り欠きをシールなどで塞いだり(5インチディスクなど)、タブをスライドさせる(3.5インチディスクなど)ことで上書き不可とすることができる。これらは媒体の物理特性ではなく機能としての上書き禁止であり、解除することができる。

また、データバックアップ用のストレージ装置システムなどの中には、機能として一度記録した内容の消去や上書きを禁じる仕組みを提供しているものがある。マルウェアがバックアップデータごと破壊しようとするのを防いだり、不正の証拠となる操作記録などを犯人が消去することを防ぐ(否認防止)ために用いられる。

(2025.2.26更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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