磁気消去 【degaussing】
概要
磁気消去(degaussing)とは、磁気を利用した記憶媒体(メディア)のデータを消去する方式の一つで、強力な磁界に晒して記録内容を失わせる手法。ハードディスクや磁気テープの廃棄時に用いられることがある。ハードディスクや磁気テープなどの記憶媒体は媒体表面の微細な磁性体の磁気の方向を変化させることによりデータを記録している。磁気消去は専用の装置で強力な磁場を作り出し、媒体表面の磁化状態をすべて同じ状態に揃えることで内容を消去する。
消去には専用の磁気データ消去装置が必要となる。データは物理的に完全に消去され、復元することはできない。媒体に物理的な損傷は生じないが、再びデータを記録することはできくなるため、廃棄時に行われる措置となる。
磁気を利用する記憶媒体にしか適用できない手法であり、SSDやUSBメモリなどのフラッシュメモリ装置、CDやDVDなどの光学ディスクには無効である。媒体全体のデータを完全消去する他の方式としては、すべての領域を「0」で上書きするゼロライト、専用の機器で穴を開けるなど不可逆に損壊させる物理破壊などがある。
(2024.7.27更新)