eMMC 【embedded MultiMediaCard】 e-MMC / e.MMC
概要
eMMC(embedded MultiMediaCard)とは、フラッシュメモリを利用した、組み込み機器向けの内蔵ストレージ(外部記憶装置)の規格の一つ。業界団体のJEDECが標準を策定している。NANDフラッシュメモリと制御回路を一つのBGAパッケージにまとめ、機器内部の電子基板などに実装することができる。通信仕様はメモリーカード規格のMMC(マルチメディアカード)に準じ、SDメモリーカードと互換性がある。
フラッシュメモリを記憶媒体とする固定ストレージにはSSD(Solid State Disk)もあり、パソコンやサーバなどで普及している。eMMCはSSDに比べ転送速度(eMMC 5.1で400MB/s)では及ばないものの、装置が小さく消費電力も少ないことから、スマートフォンやタブレット端末、デジタル家電、カーナビなど組み込み機器の高速な内蔵記憶装置として広く浸透している。
規格名のJEDECによる正確な表記は「e•MMC」または「e.MMC」だが、「•」記号(中黒、行頭文字)が一般的な文字ではないため「eMMC」「e-MMC」と表記されることが多い。
なお、メモリーカード規格としてのMMCは1990年代後半に登場しデジタルカメラなどで一定の普及を見たがSDメモリーカードとの競争に破れ、2000年代半ばに姿を消した。規格を策定していた業界団体のMMC Associationも2008年にJEDECに吸収され、現在はeMMC規格のみが発行されている。
(2019.9.6更新)