RAMディスク 【RAM drive】
概要
RAMディスク(RAM drive)とは、コンピュータのメインメモリ(RAM)の一部の領域をストレージ(外部記憶装置)のように利用するシステム。超高速なファイルシステムとして使用できるが、電源を落とすと内容は失われる。オペレーティングシステム(OS)に専用の管理用ソフトを組み込むことで使用できるようになる。ソフトウェアからは新しいストレージ装置が接続されたように見え、ファイルやフォルダの作成や削除、データの読み書きができる。
メモリの一部を動作に支障がない程度に占有する必要があるため、実際のストレージ装置のような大容量を確保するのは難しいが、光学ディスクや磁気ディスクの何桁も高速にファイルを読み書きできる。
データはメモリ上に確保された専用の領域に記録されるため、電源を落とすと内容が消えてしまうが、多くの管理ソフトは一定時間ごとや電源オフ・再起動などのイベントに連動して自動的にストレージ装置に内容を複製(バックアップ)する機能があり、電源トラブルなど予期しない電源断が起きない限り内容が失われないようになっている。
ハードウェアのRAMディスク
ストレージ装置の記憶媒体としてDRAMを使用するハードウェアとしてのRAMディスク装置も存在する。拡張カードやハードディスクなどと互換性のある筐体や接続仕様で提供され、高速なストレージとして使用できる。
コンピュータ本体の電源を落としてもデータが喪失しないよう、電源オフ時にも接続ケーブルを通じて通電を維持し、内部のDRAMメモリ素子の記憶を維持する仕組みを持つ製品が多い。停電時や本体の電源ケーブルを引き抜いたときに備えて充電池を内蔵している場合もある。
高速なファイル処理が必要な業務システム向けや、振動や粉塵が発生する場所などディスク装置に不向きな環境で使用される工業用コンピュータなどでよく利用される。近年では不揮発性メモリのフラッシュメモリを用いるSSDなどのストレージ装置が広まり、ハードウェア型RAMディスクの一部の用途を置き換えている。
(2019.9.12更新)