NNTP 【Network News Transfer Protocol】
概要
NNTP(Network News Transfer Protocol)とは、インターネットなどのIPネットワーク上でテキスト(文字)形式の記事の投稿や配信、閲覧などを行うためのプロトコル(通信規約)。NNTPによって構築された記事の蓄積・配信システムを「NetNews」(ネットニューズ)あるいは「Usenet」(ユーズネット)という。利用者の操作するNNTPクライアントからNNTPサーバへの記事の投稿、サーバ間での記事の配信・交換、クライアントへの記事の配信(一覧の取得および記事本体のダウンロード)などの手順やデータ形式を定めている。
記事は電子メールのメッセージのように、文字による本文と画像などを特殊な文字列に置き換えた添付ファイルから構成される。標準ではTCPの119番ポートを用いて通信し、ウェルノウンポート(システムポート)の一つとして用途が登録されている。
現代ではメーリングリストや電子掲示板(BBS)などで馴染み深い、特定の記事を指定してその返信やコメントを投稿できる機能があり、記事上で利用者がやり取りを行って議論を深めたり、その様子を木構造(ツリー形式)で表示して容易に一覧することができた。
歴史
NNTPの最初の規格は1986年にRFC 977として標準化され、主に1980年代後半から1990年代前半に利用された。テーマや所属組織などに応じて様々なNNTPサーバ(Newsサーバ)が設置・運用され、当時のインターネットの主な利用者であった大学や研究機関、企業の研究所などに所属する人々の間で情報交換や議論が行われた。
1990年代後半にインターネットが一般に開放されると、Webや電子メールが急激に普及する一方、NetNewsの利用は伸び悩み、メーリングリストやWeb掲示板、SNSなど同様の機能を持つサービスやアプリケーションに次第に取って代わられるようになった。2000年代以降は利用者減少に伴い各地のNewsサーバが閉鎖されていき、現在ではほとんど利用されていない。
(2024.2.1更新)