輻輳制御 【congestion control】
通信ネットワークには回線の伝送速度や中継機器の処理性能、同時に処理できる接続数などの能力に上限があり、末端の装置から容量を超える通信要求が一斉に行われると道路の渋滞に似た「輻輳」と呼ばれる混雑状態となる。悪化すると広域的な麻痺状態である「輻輳崩壊」に至ることもある。
輻輳制御はこれを未然に回避し、あるいは輻輳が始まったことを検知して緩和するために行われる制御である。電話回線網などの場合には通信事業者が交換設備を監視・制御し、災害発生などで輻輳の兆しを検知すると周囲の加入者からの発信を強制的に抑止する(通話制限)といった方策で対応することが多い。
コンピュータネットワークなどの場合には、ネットワークスイッチやルータなどの中継機器、発信・受信を行う端末がそれぞれ輻輳制御のための仕組みを備えている。TCP(Transmission Control Protocol)における輻輳制御がよく知られており、通信状態を監視して一度に送信するデータ量(ウィンドウサイズ)を動的に増減させることで、伝送路の容量を最大限活かした高速な通信と輻輳の抑止を両立する。
(2023.1.18更新)