PPP 【Point-to-Point Protocol】
概要
PPP(Point-to-Point Protocol)とは、二台の機器の間で仮想的な専用の伝送路を確立し、相互に安定的にデータの送受信を行うことができるようにするプロトコル(通信規約)。インターネット接続によく用いられる。リンク層(データリンク層/第2層)のプロトコルの一つで、物理的に通信可能な二者間でPPPフレームというデータ構造を用いて双方向の通信を行う。LCP(Link Control Protocol)、NCP(Network Control Protocol)という2つのプロトコル仕様を内包する。
LCP(Link Control Protocol)は接続の確立を行うための各種の手順を定めたプロトコルで、接続元の認証やデータ伝送設定のすり合わせを行う。NCP(Network Control Protocol)は上位層(インターネット層/第3層)で使用するプロトコルのすり合わせを行い、IPアドレスの割り当てやDNSサーバの通知などを行うことができる。
PPPは「SLIP」(Serial Line Internet Protocol)を改良したもので、1992年に最初の仕様が策定されたが、1994年にRFC 1661として標準化された仕様が用いられている。インターネットの普及期に、家庭などから電話回線やISDN回線でISPの拠点施設に接続する「ダイヤルアップPPP」が広く普及した。
その後、ADSLや光ファイバー回線によるインターネット接続が主流になると、イーサネット(Ethernet)を介してPPP接続を確立する「PPPoE」(PPP over Ethernet)やATM(非同期転送モード)を介してPPP接続を確立する「PPPoA」(PPP over ATM)などのプロトコルが広く普及している。
(2024.8.25更新)