IMAP 【Internet Message Access Protocol】 IMAP4

概要

IMAP(Internet Message Access Protocol)とは、インターネットなどのIPネットワークで標準的に用いられる、電子メール(eメール)を受信するための通信規約(プロトコル)の一つ。利用者が自分宛ての電子メールを保管しているメール受信サーバアクセスし、新着を確認したり一覧から必要なものを選んで手元に受信する手順を定めている。

IMAPでは原則として、届いたメールメールサーバ上にメールアドレスアカウント)ごとに設けられた専用の保存領域(メールボックス)で管理する。利用者サーバからメールの一覧を取得して必要な物を選択し、手元のコンピュータダウンロードして閲覧する。

サーバ上で各メールの既読状態の管理、フォルダを用いた分類などをなうこともでき、添付ファイルなどで容量が大きい場合などにメールの一部だけ(ヘッダ部分だけ、本文だけなど)受信する機能もある。メールサーバ側で管理するため、一つのアドレスを複数のコンピュータから利用することも容易である。

POPとの比較

メール受信プロトコルとしてよく用いられるものには「POP」(POP3Post Office Protocol)もあるが、POPではサーバアクセスする度に届いているメールをすべて手元にダウンロードし、クライアント側でメールの保管や分類などの管理をう。

IMAPはサーバ側でメールを保管するため、クライアント起動後に素早く新着や一覧を確認することができる。常に決まった端末を使うとは限らない場合(学校のコンピュータルームなど)や、一人で複数のコンピュータから利用する場合などにも適している。

ただし、サーバ側にメールの保管領域が大量に必要となるため、システムによっては受信容量の上限が厳しく制限され、古いメールを頻繁に削除しなければすぐに制限を超過して受信できなくなってしまう場合もある。

IMAPSによる暗号化

IMAP自体にはデータ暗号化パスワードの秘匿といったセキュリティ保護機能がないため、暗号化プロトコルSSL/TLSと併用してIMAPによる通信全体を暗号化する「IMAPS」(IMAP over SSL/TLS、「IMAP4S」とも)と呼ばれる通信方式が用いられることがある。通常のIMAPはTCP143番ポートを利用することが多いが、IMAPS993番を利用することが多い。

歴史

最も初期のバージョンIETFが1988年にRFC 1064として策定したIMAP2だが、正式名称は現在と異なり “Interactive Mail Access Protocol” だった。1994年にIMAP4がRFC 1730として策定され、このとき現在の名称に改められた。IMAP4は最も普及したバージョンであり、単にIMAPといった場合はIMAP4を指すことが多い。IMAP4には様々な拡張仕様が追加され、2003年にはRFC 3501として改訂されている。

(2020.11.25更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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