UDPデータグラム 【UDP datagram】 UDPパケット

概要

UDPデータグラム(UDP datagram)とは、UDPで送受信されるデータの伝送単位。先頭部分が制御情報を記したUDPヘッダ、残りが伝送データ本体を格納したUDPペイロードで、IPデータグラムペイロード部に格納されて運ばれる。

UDPUser Datagram Protocol)はIPInternet Protocol)と併用されるトランスポート層プロトコル通信手順)の一つで、DNSDHCPなど上位層のデータを高い効率性と短い遅延時間で相手方に送り届ける役割を担う。

UDPではデータを一定の長さごとに区切って制御情報を付加した「データグラム」(datagram)という単位で送受信する。先頭の64ビット(8バイト)は制御情報を記したUDPヘッダheader)で、先頭から2バイトずつ順に送信元ポート番号、宛先ポート番号、送信データ長チェックサムとなっている。

後続(64ビット以降)のペイロード部には、DNSなど上位層のプロトコルから伝送を依頼されたデータ本体を積載する。IPv4の場合はIPデータグラム全体が65,535バイトまでに収まるよう、ペイロード長は65,507バイトまで(IPヘッダ20バイトUDPヘッダ8バイトが付加されるため)となる。IPv6ではオプション(ジャンボグラム)で仕様上は約42億バイト(約4.2GB)まで扱うことができる。

UDPTCPと異なり通信信頼性を高めるための制御をほとんどなわないが、その分だけ伝送効率が高く、高速・低遅延にデータを伝送することができる。チェックサムには誤り訂正符号が記載されるため、データグラム内に伝送途上で誤りが生じると受信側でそれを知ることはできる(TCPのような再送制御わない)。

(2023.3.28更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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