読み方 : ディーエスシーピー

DSCP【Differentiated Services Code Point】DiffServeコードポイント

概要

DSCPとはIPネットワークにおいてパケットの通信優先度を識別するために用いられる6ビットの値。「DiffServ」(Differentiated Services)というQoS技術で、各パケットをどのように転送処理するか判断する基準として利用され、0から63までの64段階で優先度を表現できる。
DSCPのイメージ画像

IPネットワークを流れるデータには、Webサイトの閲覧やファイル転送のように多少の遅延が許容されるものと、音声通話や動画配信のように一瞬の途切れが品質の悪化に直結するものが混在する。こうした通信の種類に応じて転送の優先度を変える仕組みが「QoS」(Quality of Service)であり、DSCPはその制御においてパケットを分類する基準として用いられる。

DSCPの値は、IPv4では「TOSフィールド」(Type Of Service)あるいは「DSフィールド」(Differentiated Services field)、IPv6では「トラフィッククラス」(traffic class)と呼ばれるIPヘッダ内の8ビットの領域に格納される。このうち先頭6ビットがDSCPとして利用され、残る2ビットは輻輳通知用の「ECN」(Explicit Congestion Notification)として使われる。ルータなどの中継機器は、受信したパケットのDSCP値を参照し、値に応じた優先順位で送出や破棄といった転送処理を切り替える。

DSCPが導入される以前は、同じ領域の先頭3ビットを用いた「IPプレシデンス」(IP Precedence)という8段階の優先度制御が使われていた。DiffServに対応していない機器にDSCP値を含むパケットが到達した場合でも、先頭3ビットIPプレシデンスの値としてそのまま解釈されるため、旧来の機器との互換性も一定程度維持される。なお、インターネット全体を対象としたQoS制御は機能しておらず、DSCPおよびDiffServは実質的に閉域IP網向けの機能となっている。

(2026.6.22更新)
 

他の辞典等による「DSCP」の解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。