IPネットワーク【IP network】IP網/TCP/IPネットワーク
概要

IP(Internet Protocol)は複数のネットワークを相互に結んで横断的に通信できるようにするために考案されたプロトコル規格の一つで、機器間がIPでデータを送受信するネットワークを「IPネットワーク」という。
IPは「ルータ」(router)と呼ばれる中継機器を介してバケツリレー式に複数のネットワークをまたいでデータを運ぶことができるようになっており、この機能により複数のネットワークを結びつけた複合的なネットワークを “internet” (一般名詞)という。“inter-” は「相互の」という意味の接頭辞である。
現代では、IPによって様々な組織や個人が運用するネットワークを全世界規模で相互接続した、開かれた公共的なデータ通信網が構築されており、これを “The Internet” (固有名詞)という。日本語の「インターネット」はこれを指す。
インターネット以外のIPネットワーク
IPネットワークはインターネットだけでなく組織内で完結したネットワークとして構築・運用することもでき、企業などの単一の組織内で情報システム運用のために設置されたものを「イントラネット」(intranet)ということがある。“intra-” は「内部の」を意味する。
また、通信事業者などが自社や顧客の施設・設備間を結ぶために構築・運用している広域的なIPネットワークもある。インターネットのように一般には開放・接続されておらず、限られた主体のみが参加する閉じられたネットワークで、「閉域IP網」とも呼ばれる。
かつては組織内ネットワークを特定の製品向けの専用プロトコルで運用することも多かったが、IPや併用されるUDPやTCP、HTTPなどのプロトコル群(TCP/IPと総称される)は仕様が標準化され広く普及しており、対応機器やソフトウェア、技術に通じたエンジニアも多いため、現在では特別な事情がなければIPネットワークとして構築されることがほとんどとなっている。