IPヘッダチェックサム 【IP header checksum】

概要

IPヘッダチェックサム(IP header checksum)とは、IPヘッダが伝送途上で破損していないか受信側で調べるために付与される誤り検出符号IPv4で用いられ、ヘッダに16ビットの領域が用意されている。

IPInternet Protocol)はインターネットで標準的に用いられるプロトコル通信規約)で、IPデータグラムという単位でデータを送受信する。データグラムは先頭が制御情報を記載したヘッダ、後方が伝送データ本体であるペイロードとなっている。

IPv4ではIPヘッダの記載内容が伝送途上で破損していないかを調べるため、ヘッダ領域の11~12バイト目に16ビットチェックサムという検査符号を付加して送信する。中継機器や受信側ではヘッダの内容とチェックサムを検証し、誤りが検出されたらデータグラムを破棄する。

チェックサムは16ビットで表される。ヘッダの内容を16ビットずつに区切り、チェックサム以外の領域を順に加算していく。桁上りが生じたら最下位ビットに1を加算する。得られた合計値の1の補数ビット反転)をチェックサムとする。受信側では同じ手順で求めた合計値とチェックサム自体を加算し、結果が「0000」になれば送信時と内容が同一であると確認できる。

なお、IPの上位のトランスポート層プロトコルであるTCPUDPでは、伝送データ本体(ペイロード)も含むチェックサムを付加し、データ本体に誤りが無いかを調べることができる。IPv6ではIPヘッダを対象としたチェックサムの仕組みは廃止されている。

(2024.8.27更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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