25番ポート 【port 25】 ポート25 / TCP25番 / UDP25番
概要
25番ポート(port 25)とは、インターネットなどの通信でアプリケーションの種類や通信規約(プロトコル)の識別に用いられるポート番号の一つ。通常はTCPの25番を電子メールの送信・配達(SMTP)のために用いる。インターネットではネットワーク層のプロトコルとしてIP(Internet Protocol)を用いるが、その上位のトランスポート層のプロトコルとしてTCP(Transmission Control Protocol)あるいはUDP(User Datagram Protocol)をよく用いる。
これらは同じ機器(一つのIPアドレス)で複数の異なるアプリケーションが同時に通信したり、異なる通信相手と同時に通信できるよう、データの送受信の窓口となる「ポート」という仕組みを備えている。ポートの識別や指定は0から65535までの整数で行い、これを「ポート番号」という。
25番ポートの用途
25番ポートはそのようなポート番号の一つで、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)というプロトコルが用いる標準のポートとなっている。この用途はインターネット運用団体のIANAに登録されており、いわゆる「ウェルノウンポート」(現在は正式には「システムポート」)の一つとして定着している。
SMTPは電子メールクライアントから電子メール送信サーバ(MTA)にメールの送信を依頼したり、MTAが宛先のMTAにメールを配達する際に用いるプロトコルで、仕様上はTCPとUDPの両方の25番がSMTP用として登録されているが、ほとんどのメールサーバは実際にはTCPのみを用いる。
当初はクライアントからの送信依頼とMTA間の伝送の両方に25番を利用していたが、インターネットの普及によりメールサーバに無関係な第三者が外部から接続して勝手に迷惑メールの送信依頼を行う問題が深刻化したため、ネットワーク境界で外部のサーバの25番ポートへのアクセスをブロックする「OP25B」(Outbound Port 25 Blocking)や、逆に内部の25番へのアクセスをブロックする「IP25B」(Inbound Port 25 Blocking)が行われるようになった。
また、25番はMTA間の通信にのみ利用し、送信依頼は専用の587番(サブミッションポート)を使う運用が広まり、SMTP認証(SMTP-AUTH)により正規の送信者に利用を限ることができるようになっている。現在ではSSL/TLSによりSMTP通信を暗号化するSMTPS(SMTP over SSL/TLS)も普及しており、SMTPSによる送信依頼には465番ポートを使用するのが標準となっている。