アプリケーションプロトコル 【application protocol】
概要
アプリケーションプロトコル(application protocol)とは、ネットワークにおける通信手順やデータ形式を定めたプロトコル(通信規約)の分類の一つで、具体的な用途やソフトウェア、サービスなどの種類に応じて個別に制定されたもの。アプリケーションソフトなどが個別の具体的な目的のために利用するプロトコル群のことで、アプリケーション間で交換するメッセージのデータ形式や、相手方への処理の依頼や応答の返送などの手順を定めたものが多い。
プロトコルを役割に応じて階層構造で分類したプロトコル階層では最上位に位置し、データの送達自体に関する制御は下位層のプロトコルにより既に完了していることが前提となる。TCP/IP階層モデルではアプリケーション層に含まれ、下位のトランスポート層のプロトコル群(UDPやTCPなど)にデータ伝送を依頼する。
標準化されたプロトコル規格としては、Webコンテンツを送受信するHTTP(Hypertext Transfer Protocol)や、電子メール送信のためのSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)、メール受信のためのPOP(Post Office Protocol)やIMAP(Internet Mail Access Protocol)、ドメイン名とIPアドレスを対応付けるDNS(Domain Name System)、時刻同期を行うNTP(Network Time Protocol)、ネットワーク管理のためのSNMP(Simple Network Management Protocol)などがよく知られる。
下位層のプロトコル群は伝送経路上の中継機器が対応している必要があったり、異なるシステム間で横断的に利用できる必要性から標準規格を用いる傾向が強いが、アプリケーションプロトコルは発信・受信する端点のアプリケーションが理解していれば良いため、非標準あるいは仕様が非公開のプロトコルが用いられる例も多く見られる。
(2023.2.15更新)