スライディングウィンドウ 【sliding window】
ウィンドウ制御は一対の機器間でデータの流れを制御するフロー制御の手法の一つで、メモリ上に「ウィンドウ」(window)と呼ばれるバッファ領域を確保して、大きな単位でまとめてデータを転送する。TCP(Transmission Control Protocol)などで採用されている。
スライディングウィンドウ方式では、受信側は連続して受信可能なウィンドウ容量をあらかじめ送信側に伝達しておく。送信側では送信待機中のデータの先頭からこの容量までの範囲を、受信確認(肯定応答:ACK)を待たずに送信可能な範囲として設定し、次々にデータを送出する。
受信側は受け取ったデータについて順次受信確認を返信していくが、送信側では到着が確認できた容量の分だけウィンドウを後ろへずらし、ウィンドウの範囲内にある未送信のデータを連続的に次々に送出する。
通常のウィンドウ制御ではウィンドウ全体を送り出してから受信確認を待って隣の領域にウィンドウを移動させるが、スライディングウィンドウは送受信しながらウィンドウの範囲を連続的にずらしていくため、信頼性を損なわずに伝送効率を高めることができる。
(2024.6.25更新)