RDNSSオプション 【Recursive DNS Server option】
概要
RDNSSオプション(Recursive DNS Server option)とは、IPv6でルータが周囲の機器に設定情報を配布するRA(ルータ広告)のオプションの一つで、ドメイン名の問い合わせに用いるDNSサーバのIPv6アドレスを知らせるもの。端末がネットワークに接続してインターネットで通信できるようにするには、自らのIPアドレスを決定し、ドメイン名から対応するIPアドレスを調べるDNSサーバ(フルサービスリゾルバ/DNSキャッシュサーバ)の所在を知る必要がある。これらの情報は利用者が端末に入力するか、何らかの仕組みで自動設定しなければならない。
IPv4では自動設定の仕組みとして「DHCP」(Dynamic Host Configuration)がよく用いられる。DHCPサーバはネットワークに接続したばかりの端末に利用すべきIPアドレスを払い出し、問い合わせるべきDNSサーバのIPv4アドレスを教える。
IPv6ではIPアドレス設定を自動化する仕組みとしてSLAAC(Stateless Address Autoconfiguration)が整備され、DHCPサーバのような専用のサーバを用意しなくても、インターネットへ繋がるルータがRA(Router Advertisement:ルータ広告)というメッセージを送って自動設定できるようにした。
初期のRAの仕様にはDNSサーバの所在を教える仕組みがなかったため、実用上はDHCPv6サーバなどを用いてDNS情報を配布する仕組みを別途用意しなければならず煩雑であった。このため、2010年の規格改訂でRAにDNSサーバの情報を記載できるRDNSSオプションが追加され、IPv6アドレスとDNSサーバの両方をRAで設定できるようになった。
(2023.5.1更新)