ウェルノウンポート 【well-known ports】 well-knownポート / システムポート / system ports
概要
ウェルノウンポート(well-known ports)とは、IPによる通信で利用されるTCPやUDPのポート番号のうち、著名なサービスやプロトコルが利用するために予約されている0番から1023番のこと。インターネットなどで標準的に用いられるIP(Internet Protocol)では、IPと各アプリケーションごとのプロトコル(通信規約)を橋渡しするトランスポート層のプロトコルとしてTCP(Transmission Control Protocol)やUDP(User Datagram Protocol)を用いることが多い。
これらのプロトコルには「ポート番号」(port number)という16ビットの識別番号が組み込まれており、0番から65535番までの番号によって通信の種類や相手先の識別を行う。これにより、複数のアプリケーションで同時に通信したり、複数の相手先と同時に通信することができる。
ポート番号のうち、0番から1023番までに含まれる多くの番号は特定のサービスやプロトコルが利用することが広く知られており、これを「ウェルノウンポート」という。現在は正式には「システムポート」に改称されているが、この呼称はあまり広まっていない。
特に有名なのは、HTTPの80番やFTPの20番と21番、SSHの22番、SMTPの25番、POP3の110番、DNSの53番、NTPの123番、HTTPSの443番などである。4番、6番、8番のように何も割り当てられていないものもある。新しいプロトコルやサービスは1024番以降を利用することが慣例となっている。
インターネットの各種資源の管理や割り当てを行うICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)傘下のIANA(Internet Assigned Number Authority)では各ポート番号の用途を登録しており、ウェルノウンポートやレジスタードポート(1024~49151番)の用途をネット上で公開している。インターネットで公開するサーバはその番号を当該サービス、プロトコルで利用することが推奨されている。
ただし、サーバ上でどのサービスをどのポートで動作させるかはソフトウェアによって設定できるようになっていることが多く、必ずしもウェルノウンポートでなければそのサービスを起動・利用できないわけではない。実際、HTTPのプロキシサーバなど、特殊な用途のためにわざと本来とは別のポート番号でサービスを提供する場合もある。