PSHフラグ 【push flag】 TCP PSH

概要

PSHフラグ(push flag)とは、TCPパケットのヘッダに設定される情報の一つで、パケットを受信したらすぐに上位のプロトコルやアプリケーションに渡すよう指示するためのもの。6ビットあるコードビット領域の3番目にあたる。

データ通信の受信側では、受信したデータをバッファ領域などに蓄積しておき、一定のデータ量や経過時間に達したら上位層のプロトコル(を処理するプログラム)にまとめて渡す挙動になっている場合がある。

このような場合に、PSHフラグが「1」にセットされたパケットは、バッファ動作を行わずに受信後に即座に上位層に通知するよう求められる。対話的な処理を行う場合など、即時性が求められる状況で用いられる。

しかし、TCPが設計された時代から時間がたち、コンピュータや通信回線の性能が桁違いに向上した結果、現在ではほとんどの状況ですべてのデータが即時に処理されるのが普通になり、実用上PSHフラグによって異なる処理を行う実装はもはやほとんどないと言われている。

(2020.2.17更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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