エフェメラルポート 【ephemeral ports】 プライベートポート / private ports / ダイナミックポート / dynamic ports / 動的ポート

概要

エフェメラルポート(ephemeral ports)とは、IPネットワークで使われるTCPUDPポート番号のうち、特定の用途やプロトコルによって固定的に使用することが想定されておらず、どのようなソフトウェアプロトコルからも自由に利用することができるもの。また、一時的な用途のために動的に占有・使用されるポート。“ephemeral” とは「短命な」の意。

多くのプロトコル通信システムでは、サーバ側のポートはあらかじめ規格などで決められた特定の番号を用いるよう定められているが、クライアント側のポート番号は特に定めがない場合が多い。

このとき、クライアント側は特に用途の決まっていないエフェメラルポートの中から適当に一つを選んでその場での通信のために用いる。通信が終わるとポートの占有は解放され、別のソフトウェアや用途で使用できるようになる。

具体的にどのような番号の範囲をエフェメラルポートとして用いるかはシステムによって異なる。ポート番号の用途の登録を受け付けているIANAInternet Assigned Number Authority)では49152~65535番を “The Dynamic and/or Private Ports” の名称で私的あるいは動的に用いる範囲と定義しており、FreeBSDや最近のWindowsなどはこの範囲を利用する。

他の範囲を用いるシステムもあり、例えば昔のWindowsは1025~5000番を、多くのLinuxシステムでは32768~61000番を使っている。IETFが2011年に発行したRFC 6056標準では1024~65535番を用いると規定されており、近年ではこの範囲を指すことが多い。

一方、主な用途やプロトコルが決まっており、一時的な利用のために動的に占有することが推奨されないポート番号群のことは「ウェルノウンポート」(well-known ports)という。一般的には0番から1023番までの範囲を指す。

(2023.5.31更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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