宛先アドレス 【デスティネーションアドレス】 destination address

概要

宛先アドレス(デスティネーションアドレス)とは、通信回線やネットワークを通じてデータを送受信する際に、宛先や複製先の所在を示す情報のこと。「dst」などの略号で示されることもある。

パケットやフレームなどのデータ送受信単位の宛先、受信者を表すネットワーク上の所在情報(アドレス)をこのように呼ぶ。パケットなどの先頭にある制御情報が書かれたヘッダ領域に記載されている。逆に、送信元として記載される所在情報は「送信元アドレス」あるいは「ソースアドレス」(source address)という。

イーサネットWi-Fiなどリンク層の通信規格であれば、宛先アドレスとして機器の物理的な識別番号である「MACアドレス」が、インターネットなどで運用されるネットワーク層IPInternet Protocol)であれば、機器に割り当てられたIPの識別番号である「IPアドレス」が用いられる。

宛先として単一の機器を示すアドレスを指定する場合、これを「ユニキャストアドレス」という。一方、一つのアドレスでグループ全体に同報送信する場合は「マルチキャストアドレス」、特定のネットワークに属するすべての機器に一斉送信する場合は「ブロードキャストアドレス」という特殊なアドレスを用いる。

なお、「デスティネーションアドレス」の語はソフトウェアやプログラミングなどの分野で、メインメモリ上のデータの読み込みや転送、複製などを行う際に、書き込み先(の先頭)を示すメモリ上の番地(アドレス)のことを指すことがある。

(2023.7.9更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。