読み方:さいだいセグメントサイズ
最大セグメントサイズ 【MSS】 Maximum Segment Size
概要
最大セグメントサイズ(MSS)とは、インターネットで標準的に用いられるプロトコル(通信規約)であるTCPで通信する際に指定する、一度にデータを受信できる単位(セグメント)の最大長。IPネットワーク上でよく用いられるトランスポート層のプロトコルであるTCP(Transmission Control Protocol)では、伝送するデータを決まった長さごとに分割して「セグメント」と(segment)と呼ばれる単位で順番に送信する。
TCPによる通信を開始する際には、接続確立後に受信側が最初に自らが受信できるセグメントの最大値を「MSSオプション」として送信側に通知し、以後、送信側はこれより小さなサイズのセグメントに分割してデータを送信することになっている。
最大セグメントサイズは16ビットの値を用いて0から65,535までの数字で指定する。TCPの仕様上は、最大値を指定すると64KB(キロバイト)のセグメント長となるが、IPやイーサネット(Ethernet)など、TCPセグメントを運ぶ下位層のプロトコルの最大長を超えないように設定するのが一般的である。
適切なMSS値の算出
多くの場合に基準となるのはイーサネットフレームのペイロード長(積載データ量)である1500バイトである。ここから、IPヘッダ(IPv4で20バイト)、TCPヘッダ(20バイト)の長さを除いた1460バイトが適切なMSSとなる。
インターネット接続などにPPPoEを利用している場合は8バイト余分に必要なため、これを差し引いて1452バイトとなる。IPv6を利用する場合は、ヘッダ長がIPv4より20バイト長い40バイトであるため、直接接続の場合でMSSは1440バイトとなる。
(2025.8.31更新)