NTPクライアント【NTP client】

概要

NTPクライアント（NTP client）とは、インターネットなどのIPネットワークでNTP(Network Time Protocol)という通信規約(プロトコル)を用いてサーバから現在時刻情報を受信する機器。また、時刻情報を受信してコンピュータの内蔵時計を合わせるソフトウェア。

NTPは現在の時刻の情報を送受信してコンピュータ間で時計を同期させるプロトコルで、伝送にかかる遅延時間も考慮して正確に時刻を合わせることができる。時刻情報を配信するコンピュータをNTPサーバ、受信するコンピュータをNTPクライアントという。

パソコンなどに内蔵された計時回路は時間の経過とともに少しずつずれてしまうため、かつては時計と同じように人間が時々ずれを直してやる必要があった。現在はパソコンやスマートフォンなどのオペレーティングシステム（OS）に標準でNTPクライアントの機能が組み込まれており、インターネットを通じて定期的に時刻を受信し、常に正確に保つことができる。

時刻情報の大本となるのは研究機関などで運用される原子時計などに接続されたコンピュータだが、世界中のクライアントが大本のサーバにアクセスしてしまうと負荷に耐えきれないため、多数のサーバが連携して階層構造を形成し、上位サーバから順にバケツリレー式に時刻情報を伝播させていく仕組みになっている。

このため、実際のNTPサーバのほとんどは（また、NTP サーバソフトウェアのほとんどは）NTPクライアントとしての機能も兼ねており、上位サーバに問い合わせて現在の時刻を受信し、自身の時計を正しく合わせる。ただし、一般に「NTPクライアント」という場合は、配信は行わずサーバから時刻情報を受信するのみの端末やソフトウェアを指すことが多い。

(2022.2.13更新)