認証ヘッダ 【AH】 Authentication Header

概要

認証ヘッダ(AH)とは、IPsecの仕様の一部で、IPデータグラムに制御情報を追加し、送信元の認証や改竄検知(完全性の保証)を実現するための仕組み。

IPsecネットワーク上で認証暗号化を用いて安全に通信うためのプロトコル通信規約)の一つで、IPInternet Protocol)のレベルで認証暗号化を実施し、IP上でやり取りされるすべての通信を保護することができる。

認証ヘッダはIPsecの仕様の一部で、安全性を高める制御情報をIPデータグラムヘッダ領域に追加する。本来のIPヘッダの直後に挿入され、送信元の秘密鍵や送信データなどを元に生成したハッシュ値であるメッセージ認証コードMAC)を含む。

認証コードは安全な接続を確立した相手方しか知り得ない秘密鍵を用いて作成されるため、通信途上で第三者が伝送内容を改竄したとしても、整合するような認証コードを付け直すことはできない。IPデータグラムが確かに正しい相手から送信され、途中で改竄されていないことを確認できる。

認証ヘッダは伝送内容の暗号化わないため、伝送途上での第三者による通信内容の盗聴(盗み見)を防止する効果はない。IPsecでは「ESP」(Encapsulated Security Payload)という仕組みも用意しており、データグラムが運ぶデータ本体(ペイロード)を暗号化することができる。AHとESPは併用することもできる。

(2024.9.2更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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