POP 【Post Office Protocol】 POP3

概要

POP(Post Office Protocol)とは、インターネットなどのTCP/IPネットワークで標準的に用いられる、電子メール(eメール)を受信するための通信規約(プロトコル)の一つ。

利用者が自分宛ての電子メールを保管しているメールサーバアクセスし、新しいメールが届いているか調べたり、手元のメールソフトに受信する通信手順データ形式を定めている。送信やサーバ間の配達にはSMTPSimple Mail Transfer Protocol)という別のプロトコルを用いる。

POPを利用する場合は原則として、サーバに届いたメールはすべてクライアントメールソフト)側にダウンロードしてから閲覧や未既読の管理、フォルダ分けなどをい、受信済みのメールサーバから削除される。

この方式はネットに接続しなくても過去の受信メールを見ることができ、サーバの受信メール保管容量も少なくて済むが、複数の端末で同じメールアドレスを利用したい場合には向いていない。そのような場合はサーバ上で既読管理や分類などをうことができる「IMAP4」を使ったり、Webメールシステムを使う。

初版は標準化団体のIETFによってRFC 918として1984年に、広く利用されている第3版(POP3)は1988年にRFC 1081として標準化された。POP3は数次の改訂を経て1996年のRFC 1939が最新の仕様となっている。古くから電子メール受信の標準プロトコルとして広く利用され、現在も対応ソフトウェアが多く存在する。

インターネットが広く一般に公開される前に仕様が策定されたため、利用者認証のためのユーザー名やパスワードの送受信を平文暗号化されていない状態)で送受信する仕組みとなっており、認証情報を暗号化する「APOP」(Authenticated POP)という拡張仕様が導入された。

APOPにも問題が見つかっており、WebにおけるHTTPS通信のように、POPによる通信全体をSSL/TLS暗号化する「POP3 over SSL/TLS」(POP3S/POPS)の利用が推奨されている。標準のポート番号はPOP2がTCP109ポート、POP3が110番ポートPOP3S995番ポートとなっている。POP1はほとんど普及せず決まったポート番号はない。

(2022.5.26更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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