ハイポート 【high port】
概要
ハイポート(high port)とは、IP通信で使われるTCPやUDPのポート番号のうち、特定の用途が決まっていない大きな番号のポート群のこと。一時的な用途のために動的に占有・使用されるポートで。エフェメラルポートと同義とする場合と、その一部を指す場合がある。ポート番号とは
インターネットではネットワーク層のプロトコルとしてIP(Internet Protocol)を用いるが、その上位のトランスポート層のプロトコルとしてTCP(Transmission Control Protocol)あるいはUDP(User Datagram Protocol)をよく用いる。
これらは同じ機器(一つのIPアドレス)で複数の異なるアプリケーションが同時に通信したり、異なる通信相手と同時に通信できるよう、データの送受信の窓口となる「ポート」という仕組みを備えている。ポートの識別や指定は0から65535までの整数で行い、これを「ポート番号」という。
エフェメラルポートとハイポート
各ポート番号の用途はIANA(Internet Assigned Number Authority)という機関が登録を受け付けて公表しており、小さい番号は決まった用途が割り当てられている。大きい番号のポートは「エフェメラルポート」(ephemeral ports)と呼ばれ、アプリケーションが必要に応じて動的に確保して通信に使用することができる。
ハイポートは一般にこのエフェメラルポートを指すが、エフェメラルポート全体を指す(同義として用いる)か、その一部の範囲を指すかはシステムや文脈によって異なる。IANAが動的あるいは私的な用途のための範囲(Dynamic and/or Private Ports)と定義する49152~65535番、Linuxが動的なポートとして使う32768~61000番などを指す場合が多い。
Windowsの場合、Windows XPおよびWindows Server 2003までは動的なポートとして1025~5000番を用いていたが、Windows VistaおよびWindows Server 2008以降で49152~65535番を用いるよう変更された経緯がある。このため、前者をローポート(low port)、後者をハイポートとして区別する場合がある。