RTCP【RTP Control Protocol】
概要

RTP(Real-time Transport Protocol)は動画や音声などのメディアデータをリアルタイムに配送するプロトコルだが、それ自体には通信品質を監視・制御する仕組みがない。RTCPはその不足を補うべく、RTP通信と並行して制御情報を定期的にやり取りする。伝送にはRTPと同様、低遅延に適したUDP(User Datagram Protocol)が用いられる。
RTCPが伝送する制御情報の中心は、「送信レポート」と「受信レポート」の二種類である。受信側から送信側へは受信レポート(RR:Receiver Report)が送られ、パケット損失率や遅延のゆらぎ(ジッタ)といった通信品質の状況が報告される。送信側から受信側へは送信レポート(SR:Sender Report)が送られ、直近のパケットの送信時刻やセッション開始からの累計パケット数、バイト数などが通知される。
これらのレポートを交換することで、通信を中断することなく映像・音声のビットレートを動的に調整し、品質を維持できる。また、送信レポートに含まれる時刻情報はNTPタイムスタンプ形式で記述されており、音声と映像の再生タイミングを合わせるリップシンクなどの同期制御に利用される。複数の参加者が同一セッションに参加するテレビ会議などでは、参加者情報を通知する「SDES」(Source Description)パケットや、離脱を告知する「BYE」パケットも用いられる。
RTCPによる制御情報の伝送がRTPによるメディアデータの送受信を妨げないよう、帯域を過度に消費しないよう設計されている。一般にRTCPのトラフィックはセッション帯域の一定割合以下に抑えられ、参加者数が増加した場合には送信間隔を自動的に延ばして制御トラフィックの増大を防ぐ。この仕組みにより、多地点間通信においても品質監視と同期処理を安定して継続できる。