VA液晶 【Vertical Alignment】 VAパネル
偏光板の間に封入した液晶分子に電極から印加し、完全な垂直から完全な水平まで回転させることによりバックライトの光を遮ったり通したりする。電圧を加えたときに光を通すノーマリーブラック型のパネルとなる。
IPS方式と並んでTFT液晶を採用した液晶ディスプレイや液晶テレビの主要な方式の一つとなっている。IPSに比較すると黒色が暗いためコントラストが高く、一方で視野角は狭いとされるが、実用上およびカタログ上の性能ではほとんど違いは見られなくなっている。
MVA方式 (マルチドメインVA)
富士通が改良したVA方式の一つで、液晶分子が倒れる方向を4つに分散し、視野角を向上させたもの。同種の技術はサムスンのPVA(パターンドVA)などにも見られる。
初期のVA方式(シングルドメインVA/モノドメインVA)ではすべての液晶分子が同じ方向に倒れるため、完全な垂直と水平以外の、分子が斜めになった中間階調の状態では画面を見る方向によって明るさや色味に大きな差が生じてしまい、視野角が狭まる要因となっていた。
MVA方式では画素内の液晶分子を複数の区画に分けて配置し、それぞれ隣接する区画とは異なる方向に倒れるように制御する。これにより、特定の方向に大きく光を通したり遮ったりする傾向が解消され、視野角が大きく広がった。
(2018.12.18更新)