コントラスト比 【contrast ratio】

概要

コントラスト比(contrast ratio)とは、テレビやディスプレイ装置などの性能指標の一つで、最も明るい表示状態(白)と最も暗い表示状態(黒)の輝度(明るさ)の比率。

例えば、コントラスト比「1000:1」の製品は、黒の輝度を1としたときに、白の輝度がその1000倍であることを表す。コントラスト比が高いほど色の違いがくっきりと表現された鮮やかな表示になる。画面の明るさ(最大輝度)とは独立した指標であり、全体的に画面は暗いがコントラスト比は高い状態も、画面は明るいがコントラスト比は低い状態もあり得る。

液晶ディスプレイなどバックライトを光源とする装置では、画面に映っている像が暗い時にバックライトの光量を落とし、明るいときは光量を上げる制御をうものがある。このとき、最も暗い状態と最も明るい状態の輝度の比を「ダイナミックコントラスト比」(動的コントラスト比)と呼ぶ。

バックライトをほぼ消灯した状態の黒色の表示は限りなく発光量が少なくなるため、動的なコントラスト比は最大で数百万:1に及ぶ場合もある。カタログなどでは通常のコントラスト比と並べて「最大」などの注記をつけて記載されることが多い。

「コントラスト比」という用語は、装置の物理的な特性の意味とは別に、画面上の複数の表示色の間の輝度の比率を表すことがある。特に、文字を表示する際の背景色と文字色の輝度の比を表すことが多い。WCAGなどの規格では、アクセシビリティの観点から文字と背景のコントラスト比は4.5:1以上を確保することが望ましいとされる。

(2023.9.11更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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