ティアリング 【screen tearing】 テアリング
概要
ティアリング(screen tearing)とは、液晶ディスプレイなどの画面のチラつき現象の一種で、コンピュータ側の画面の更新とディスプレイ側の書き換えのタイミングがずれることによって生じるもの。コンピュータ内部ではビデオカードや内蔵GPUなどが持つメモリ(VRAM)が表示データを保持しており、表示が変化する度に内容を書き換えている。ディスプレイはビデオ出力回路を通じて一定周期でこの内容を受け取って画面を書き換える。
ディスプレイは決まった同じタイミング(垂直走査周波数60Hzであれば1/60秒に1回)で書き換えを行うが、コンピュータ側が常にこれと同じタイミングで内容の書き換えを行うとは限らず、VRAMの内容を変更している最中に画面の書き換えが行われることがある。
そのような場合に生じるのがティアリングで、画面上のある一か所の水平な線を挟んで上側が書き換え前、下側が書き換え後の内容になってしまい、上下が繋がらず微妙にズレたような表示となってしまう。
かつてはコンピュータ側の書き換えがゆっくりだったためティアリングが視認されることは少なく問題とならなかったが、コンピュータのグラフィック性能向上に伴い動きの激しいゲームなどではディスプレイのリフレッシュレートを超えて頻繁に書き換えが行われるようになり、ティアリングが目立つようになった。
GPUメーカーやディスプレイメーカーでは対策としてコンピュータ側とディスプレイ側で書き換えタイミングについて同期を取る技術を開発している。米AMD社の「FreeSync」や米エヌヴィディア(NVIDIA)社の「G-SYNC」などがよく知られており、対応製品間の接続ではこのようなチラつきを抑えることができる。
(2021.5.31更新)