VGAケーブル 【VGA cable】 アナログRGBケーブル / analog RGB cable
概要
VGAケーブル(VGA cable)とは、パソコンとディスプレイの接続などでよく用いられた通信ケーブル。アナログ映像信号を伝送するもので、両端のコネクタは「VGA端子」あるいは「アナログRGB端子」と呼ばれる。「VGA」(Video Graphics Array)とは、もとは米IBM社のパソコンに採用されたグラフィック表示システムおよび画面表示モードの名称で、640×480ピクセルの画面に同時に16色(262,144色から選択)まで表示できるモードを指していた。
VGAケーブルはこの表示モードに対応した映像伝送用のケーブルで、1987年にIBM社の「PS/2」に初めて採用された。端子の一方をコンピュータ、もう片方をディスプレイ(モニター)に接続し、RGB(赤・緑・青)の各色に対応するアナログ映像信号や、垂直・水平同期信号などを伝送する。
VGA端子はD-Sub規格の一つである3列15ピンの角丸台形型の端子(DE-15/HD-15/DB-15/ミニD-Sub15)で、両脇に指で回せるつまみの付いたネジが埋め込まれた独特の形状でよく知られている。機器側のネジ受けに回し入れることでプラグとレセプタクルをしっかり固定することができる。
1990年代を通じて、パソコン(PC/AT互換機)とアナログ駆動のCRTディスプレイの間で映像信号を伝送するケーブル端子の事実上の標準として広く普及した。2000年代になるとデジタル駆動の液晶ディスプレイが主流となり、伝送規格もデジタル信号を用いるDVIやHDMI、DisplayPortなどが主流となった。
大画面化も進み、VGA端子の上限である2K解像度(幅2000ピクセル前後の画素数)を超える高精細な製品も増えたため、2010年代になると徐々にコンピュータ側からもディスプレイ側からも撤去されるようになった。現在新規に出荷される製品はアナログVGA非対応の製品がほとんどで、デジタル伝送方式のみの対応となっている。
(2024.8.27更新)