LVDS 【Low-Voltage Differential Signaling】
概要
LVDS(Low-Voltage Differential Signaling)とは、高速なデジタル通信を行うための電気信号の伝送方式を定めた規格の一つ。コンピュータ本体と液晶ディスプレイの接続や、SATAなどのシリアル伝送規格で採用されている。2本の信号線をペアとして用い、両者の電圧の差を利用して信号を伝達する「差動伝送」(ディファレンシャル伝送)を行う。標準の構成では信号線に3.5mAの電流を流し、受信側で100Ωの終端抵抗を用いることにより、350mVの差動電圧を得る。
少ない消費電力で高速に信号を伝送することができ、仕様上は一対の銅線(ツイストペアケーブル)で10m以内の距離を最大655Mbps(メガビット毎秒)で通信することができる。製品によっては数十mの伝送距離や数Gbps(ギガビット毎秒)の速度を実現するものもある。
LVDSは1994年にEIAおよびTIAによりTIA/EIA-644として標準化された。2001年に発行されたANSI/TIA/EIA-644-Aもほぼ同じ仕様である。コンピュータなどの電子機器の内部の装置・回路間の接続や、ディスプレイへの映像信号の伝送、周辺機器との接続などに幅広く応用されており、SCSIやFireWire、SATA(Serial ATA)などの規格で採用されている。
(2023.8.13更新)