DisplayPort 【DP】

概要

DisplayPort(DP)とは、コンピュータディスプレイ装置を接続し、映像や音声をデジタル方式で送受信するインターフェース規格の一つ。ケーブルや端子、信号などの仕様を定めたもので、業界団体のVESA(Video Electronics Standards Association)が策定している。

従来、パソコンからディスプレイに映像を出力するのに用いられてきた、いわゆる「アナログVGA」(VGA端子)や「DVI」(Digital Visual Interface)を置き換える目的で開発された仕様である。これらよりコンパクトで薄型のコネクタを使うため、携帯機器にも端子を設けやすくなっている。

DisplayPortは主にパソコンで用いられており、テレビやHDDレコーダー、家庭用ゲーム機などのデジタル機器では同じデジタル接続インターフェースの「HDMI」(High-Definition Multimedia Interface)が普及している。ディスプレイ製品などは両対応の機種も多い。

主な仕様

1本のケーブルで映像と音声を多重化して伝送したり、複数のディスプレイを接続する際に数珠つなぎデイジーチェーン)に接続することができる。コンテンツの著作権保護は当初独自方式の「DPCP」(DisplayPort Content Protection)を用いていたが、HDMIなどで用いられる「HDCP」(High-bandwidth Digital Content Protection)を用いるよう改められた。

DisplayPortのケーブルでは最大で4対の信号線を用い、それぞれ独立にシリアル伝送う。この伝送路は「レーン」と呼ばれ、当初の仕様では2.7Gbps×4で最高10.8Gbps(実効8.64Gbps)、DisplayPort 2.0では20Gbps×4で最高80Gbps(実効77.4Gbps)のデータ伝送が可能となっている。

当初の仕様ではフルHD1920×1080)の映像をリフレッシュレート144Hzで伝送できたが、DisplayPort 1.2では4K解像度(3840×2160)を75Hzで伝送できるようになり、最新のDisplayPort 2.0では8K解像度(7680×4320)を60Hzで伝送することができる。

コネクタ形状

標準サイズのコネクタは幅16.1mm×高さ4.76mmで、片方の端に誤挿入防止のための切り欠きがある。携帯機器向けに小型の「Mini DisplayPort」が用意されており、こちらは幅7.5mm×高さ4.6mmとなっている。ピン数(20本)や信号形式、伝送性能などに違いはない。

また、ノートパソコンなどの筐体内で液晶パネルに信号を伝送する方式として「eDP」(embedded DisplayPort)も策定されている。DisplayPort 1.3からは標準コネクタの代わりにUSB Type-CポートにDisplayPort信号を流すことができる「DisplayPort Alt Mode」(DisplayPort代替モード)が用意された。

(2024.6.25更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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