VSYNC 【Vertical Synchronizing signal】 垂直同期信号 / 垂直同期周波数
概要
VSYNC(Vertical Synchronizing signal)とは、テレビやディスプレイ装置のように電気的に像を表示面に投影する装置において、画面の書き換え(走査)を開始するタイミングを計る信号。また、その周波数(垂直走査周波数/垂直同期周波数/リフレッシュレート)をVSYNCと呼ぶこともある。画面表示装置は上下に数百から数千並んだ走査線を映像信号に従って上から順に書き換えていく。最下段まで書き換え終えたら再び最上段に戻って次の像の書き換えを始め、これを短い周期で繰り返すことで刻々と変化する像を表示している。
これを一定の間隔で行うために画面の走査を開始するタイミングを指示する信号がVSYNCである。人間の目は毎秒数十回の連続的な書き換えで自然な映像に感じるため、VSYNCの周波数(1秒あたりの書き換え頻度)も30~60Hz(ヘルツ)程度であることが多い。
一方、次の走査線に移るタイミングを計る信号は「HSYNC」(Horizontal Synchronizing signal:水平同期信号)という。垂直同期の1周期の中で水平同期は走査線の数だけ繰り返されるため、周波数の値もVSYNCの数百倍から千倍以上になる。
ビデオカードのVSYNC機能
近年ではビデオカードなどの性能が高くなり、コンピュータ側が動画像を書き換える頻度(フレームレート)がディスプレイ側で画面を書き換える頻度(リフレッシュレート)を超えてしまい、描画のタイミングが合わずに画面内に揺れやちらつきが生じる「テアリング」(screen tearing)と呼ばれる現象が起きる場合がある。
これを抑えるため、フレームレートをリフレッシュレートに揃え、タイミングに同期して描画信号を送出するよう調整する機能が搭載されていることがある。これを「VSYNC」あるいは「垂直同期」と呼ぶことがある。
(2024.3.30更新)