静電容量方式 【capacitive sensing】

概要

静電容量方式(capacitive sensing)とは、パネルの表面に指などで触れて位置などを入力することができるタッチパネルの方式の一つで、指先の接触による表面の静電容量の変化を感知するもの。

指にしか反応しないため意図せず物が触れることによる誤検知が起きにくい反面、手袋や爪、(専用の付属品以外の)ペンなどで操作することができない。反応速度や位置検出精度は良好で、耐久性や防塵・防水性にも優れるが、より簡易な方式に比べればコストは高い。

主な方式は2種類あり、ガラス基板上の導電膜の静電容量の変化をパネルの四隅ある電極で検知する「表面型」と、モザイク状に配置した透明な電極膜の容量変化をパネルの縁に縦横に並べた多数の電極で検知する「投影型」がある。

表面型は構造が比較的単純でコストが低く大型のパネルでも利用できるが、位置検出の精度は低く同時に一ヵ所の接触しか検知できない。投影型は位置検出の精度が高く複数接触点の同時検知(マルチタッチ)に対応できるが、構造が複雑でコストが高く、使用する材料の性質上大型化が難しい。

(2025.1.17更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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