走査線 【scan line】 スキャンライン
概要
走査線(scan line)とは、テレビやディスプレイなどの表示装置における画面の水平方向の線。映像信号は画面の上から下まで一本ずつ走査線に沿って色情報を並べた形式になっている。一般的な表示装置は画面全体を上下に数百から数千に分割し、像を水平方向の線の束として表現する。像を映し出すには、まず最も上の走査線に沿って左から右に各画素を発光させ、次に2本目の走査線に沿って描画し…という手順を走査線の数だけ繰り返し、終わったら上に戻ってまた一本ずつ走査する。
その際、毎回上から順に一本ずつ走査する方式を「プログレッシブスキャン」(順次走査)、奇数本目と偶数本目の走査線を交互に走査する方式を「インターレーススキャン」(飛び越し走査)という。インターレース方式では2回縦に走査する度に画面全体が書き換わる。
一秒間に描画する走査線の数を「水平走査周波数」(水平同期周波数)、走査線を上から下まで描画する回数を「垂直走査周波数」(垂直同期周波数)という。順次走査の場合は垂直走査周波数に走査線の数をかけたものが水平走査周波数となり、飛び越し走査の場合は走査線の数の半分をかけたものが垂直走査周波数となる。
例えば、横1920×縦1080ピクセルの表示装置の走査線は1080本あり、順次走査で毎秒60回画面を書き換える(60フレーム毎秒)場合、垂直走査周波数は60Hz、水平走査周波数は60×1080で64.8kHz(64,800Hz:毎秒6万4800本の走査線を描画)となる。
(2021.5.29更新)