読み方 : シーモス

CMOS【Complementary Metal Oxide Semiconductor】

概要

CMOSとは、半導体素子の構造の一つで、金属酸化物でできた一対のP型トランジスタとN型トランジスタを組み合わせたもの。この素子を組み合わせて製造された半導体チップや半導体応用製品を指すこともある。
CMOSのイメージ画像

電界効果トランジスタFET)の一種であるMOSFETを利用した方式で、反対の性質を持つP型MOS(PMOSトランジスタ)とN型MOS(NMOSトランジスタ)を組み合わせ、互いに補い合うように論理回路を構成する。P型とN型は互いに相手が動作していないときに動作するため、電力消費を抑えることができる。

1960年代に考案された方式で、1970年代に実用化された。当時はPMOSNMOSのいずれかのみを用いた集積回路が主流だったが、CMOSは消費電力が少なく高速に動作するため、1980~90年代に論理回路の主流の方式として普及した。現在の半導体製品の多くもCMOSで構成されている。

なお、複数の方式の半導体素子が併存する分野では、CMOSを採用した方式や製品を指して「CMOS」と呼ぶことがある。例えば、光を検知して電気信号に変換するイメージセンサーは有力な方式としてCCD型とCMOS型があるため、CMOSイメージセンサーを「CMOS」と略して呼ぶことがある。

(2025.10.5更新)

他の用語辞典による「CMOS」の解説 (外部サイト)