D端子 【D1/D2/D3/D4/D5】 D-Connector

概要

D端子(D1/D2/D3/D4/D5)とは、テレビやビデオレコーダーなどのAV家電などで用いられる日本独自のアナログ映像入出力端子。D1~D5端子までの5つの規格があり、数字が大きいほど高精細・高解像度の映像信号に対応する。

名称の「D」は、コネクタのピンを囲うシールド部がアルファベットのDのような形状をしていることから名づけられたもので、内部信号はデジタル信号ではなくアナログ信号である(“Digital” のDではない)。

D1がアナログテレビ放送相当、D5がフルハイビジョン相当の信号に対応し、Dの後の数字が大きいほどより高い解像度の映像を伝送できる。数字が上の規格は下位互換性を備え、下の規格で伝送可能なすべての映像に対応する。端子形状は同一であるため、機器の端子やケーブルがどの数字まで対応しているか確認する必要がある。

3つに分かれたピン端子をそれぞれ差し込まなければならないコンポーネント端子より着脱が容易で、D3以上はハイビジョン(HD)映像にも対応しているため、国内向けに2000年代後半頃までに発売されたAV機器の多くはD端子を標準で備えていた。

一方、国内規格であるため海外の機器にはほとんど搭載されておらず、2010年代以降は国内でもデジタル入出力のHDMI端子に置き換えられるようになり、旧製品との互換性維持以外には新規に採用されることはほとんどなくなっている。

D1端子

D端子の規格の一つで、最も性能が低いもの。SD画質と総称される、アナログテレビ相当(走査線480本)あるいはワイドサイズ(16:9)のDVD-Video相当(720×480)のインターレース映像(480i/525i)に対応する。

D2端子

D端子の規格の一つで、D1の信号に加えてプログレッシブ走査の映像信号(480p/525p)に対応したもの。走査線480本あるいは720×480の画面サイズは変わらない。

D3端子

D端子の規格の一つで、D2までの信号に加えてハイビジョン放送などで用いられるHD画質1080i1125i)に対応したもの。画素数1920×1080ピクセルインターレース走査の映像信号を伝送できる。

D4端子

D端子の規格の一つで、D3までの信号に加えてHD画質の一種である720p750p)に対応したもの。画素数1280×720ピクセルのプログレッシブ走査の映像信号を伝送できる。

D5端子

D端子の規格の一つで、D4までの信号に加えてフルハイビジョン画質の一種である1080p1125p)に対応したもの。画素数1920×1080ピクセルのプログレッシブ走査の映像信号を伝送できる。

(2018.12.12更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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