.NET Framework

概要

.NET Frameworkとは、Microsoft社のソフトウェア開発・実行基盤の一つ。同社のWindowsに同梱されており、Windowsアプリケーションの開発・実行環境の一つとして広く普及している。.NET対応のアプリケーションソフトは.NET Frameworkが存在する環境なら機種やOSの違いなどに拠らず同じように動作させることができる。

.NET Frameworkの仕様はCLI(Common Language Infrastructure共通言語基盤)としてEcma InternationalやISO/IECによって標準化され、公開されている。同社以外による.NET Framework互換のCLI実装も存在し、.NET対応ソフトウェアはそれら互換環境でも同じように動作する。

CLIは特定のプログラミング言語やOS、コンピュータの機種などに依存しないコンピュータプログラムの構成法を定義しており、高級言語で記述されたプログラム(ソースコード)は、架空のコンピュータの機械語のような形式のCILCommon Intermediate Language共通中間言語)によるプログラムに変換(コンパイル)される。ソフトウェアはCILで記述された状態で配布され、実行時にそのコンピュータの機械語などへ変換されて実行される。

.NET Core

Microsoft社のソフトウェア開発・実行基盤の一つで、.NET Frameworkの基礎的な部分を抽出してWindowsだけでなく他のOS上でも動作するようにしたもの。.NETアプリケーションをOSの違いによらず様々な環境で実行できる。

オープンソースソフトウェアとして公開しており、誰でも自由に入手、利用、改変、再配布などすることができる。最初のバージョンは2016年に提供が開始された。従来の.NET環境はWindowsでの動作を前提としており、同社が公式に提供するソフトウェア群はすべてWindowsのみの対応だったが、.NET FrameworkはWindowsに加えLinuxやmacOSで動作する。

同時にWebアプリケーション実行環境のASP.NETActive Server Pages .NET)や.NETライブラリなどの関連ソフトウェアもオープンソースとして公開されている。一方、WPF(Windows Presentation Framework)やWindows Formsなど、Windows関連技術を中心に、.NET Frameworkには含まれるが.NET Coreには含まれない機能もある。

(2017.11.18更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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