Visual C++ 【VC++】
概要
Visual C++(VC++)とは、米マイクロソフト(Microsoft)社が開発・販売している、C言語/C++言語によるWindows向けソフトウェア開発のための統合開発環境(IDE)。複数言語のIDEを包括するVisual Studioの一部で、かつては単体の製品としても提供されていた。C/C++によるプログラミングを支援するコードエディタやコンパイラ、デバッガ、ライブラリ、ランタイムなどで構成される。C/C++標準の言語仕様や標準ライブラリ(STLなど)に対応するほか、Win32 APIによるWindowsプログラミングや、ATL(Active Template Library)やMFC(Microsoft Foundation Class)など独自の拡張ライブラリ、.NET Framework(CLI)向け開発、x86系アセンブリ言語によるインラインアセンブラ記法などに対応する。
Visual Studioの基幹製品・言語としてWindowsプログラミングの標準として位置づけられており、最も高い性能のソフトウェアを開発できるほか、低水準(ハードウェア寄り)から高水準、デスクトップアプリケーションからソフトウェア部品(コンポーネント)、デバイスドライバまであらゆる種類のソフトウェア開発に対応している。
Visual C++で開発したソフトウェアの実行には専用のランタイム(実行時)ファイルが必要で、同社から無償配布されており誰でも入手・導入できるほか、開発者がソフトウェアに同梱して提供することもできる。
Visual C++は1993年にMicrosoft C/C++の後継として登場し、初期には単体の製品として提供されたが、2005年のVisual C++ 2005を最後に単体での販売は行われなくなり、Visual Studioの一部としてのみ提供されるようになった。他の言語と同様、一部の機能を制限した無料版も配布されている。
(2018.11.5更新)