サブセット【subset】
概要

サブセットは、全体を構成する要素群から特定の条件で選び出した要素によって作られる集合である。元の集合と比較すると、要素数や規模が小さい集合となる。日常的にはこの語が単独で使われることは少なく、特定の分野の文脈の中で用いられる。
IT分野では、製品の仕様や通信の規格、データ集合、ソフトウェアの機能群などについて用いられることが多い用語である。本来備わっているすべての要素や機能のうち、特定の用途に必要な範囲だけを残し、他を省略または削減した構成を指す。
例えば、ある標準規格の全機能のうち基本的な部分だけを定めた仕様や、特定の業界向けに必要な機能だけを抽出したソフトウェアのパッケージなどがサブセットに該当する。元の規格に準拠していても一部の機能が利用できない場合があるため、互換性を確認する際にはどの範囲がサブセットとして実装されているかが論点になる。
全体を構成する大きな集合から特定の要素だけを抜き出して新しい部分集合を作る操作は、「サブセット化」(subsetting)と呼ばれる。代表例としてフォントデータの処理がある。1書体には数千から数万の文字データが含まれているが、特定の文書やWebページで実際に使用している文字だけを抽出すれば、データ容量を大幅に削減できる。Webフォントの埋め込みやPDFへのフォント埋め込みの際に、この技術が利用される。
サブセットと対比して、要素が一つも欠けることなくすべて揃っている集合を「フルセット」(full set)と呼ぶ場合がある。また、あるサブセットの全要素を含んだ上でさらに別の要素や機能を追加した拡張版、あるいは集合論における上位集合のことは「スーパーセット」(superset)という。標準規格に独自の拡張機能を付け足した上位互換の仕様などがサブセットと呼ばれることがある。