サードパーティ 【third party】 3rd party

概要

サードパーティ(third party)とは、「第三者」という意味の英熟語。ある事柄について、その直接の当事者ではない関係者のこと。主にビジネス分野で事業者間の関係を表す表現としてよく用いられる。

二者間の契約や取引、紛争などについて、両者のいずれでもない者のことをこのように呼ぶ。当事者については一方を「ファーストパーティ」(first party)、その相手方を「セカンドパーティ」(second party)という。当事者が三者以上の関係についても、慣用的に直接の当事者以外の者をまとめてサードパーティということが多い。

ビジネスの用語としては、ある製品やサービスなどについて、その開発元、販売元、運営元以外で、それに関連する、あるいは対応する製品やサービスなどを開発、販売、運営する事業者のことをサードパーティということが多い。

例えば、あるメーカーのコンピュータ製品について、接続して使用できる周辺機器のメーカーや、対応ソフトウェア製品のメーカーなどのことをサードパーティという。この場合、大元の製品の開発元がファーストパーティ、その顧客や利用者がセカンドパーティと考えることができる。

本体の開発元が提供する対応製品などを「純正品」、サードパーティによる部品や消耗品などを「非純正品」と呼ぶことがある。同じ製品について純正品と非純正品の両方が流通し、開発元とサードパーティが競合関係となる場合もある。プリンタのインクカートリッジのように、非純正品での動作を保証せず、使用した場合は保証契約を打ち切るといったサードパーティ対抗策を打ち出すメーカーもある。

ゲーム業界のサードパーティ

ビデオゲーム業界では、家庭用ゲーム機などのプラットフォーム製品の開発・販売元をファーストパーティ、対応する周辺機器やゲームソフトなどの開発・販売元をサードパーティと呼ぶ。俗に「サード」と略されることも多い。

一方、ファーストパーティのメーカーが販売元(パブリッシャー)として販売する自社ゲームタイトルについて、開発・制作を(資本関係のない)別のメーカーに委託する場合がある。この場合、委託を受けた開発元(デベロッパー)のことを「セカンドパーティ」と呼ぶことがある。

Web広告業界のサードパーティ

Webサイトに広告配信事業者を通じて広告を掲載する場合に、サイト自身をファーストパーティ、配信事業者をサードパーティという。サイト運営者の保有する閲覧者データを「ファーストパーティデータ」、広告事業者が保有するデータを「サードパーティデータ」という。

これは、閲覧者の識別・同定のためにWebサーバWebブラウザとやり取りするCookieデータについて、サイト自身が発行したものを「ファーストパーティCookie」、埋め込まれた広告の配信サーバが発行したものを「サードパーティCookie」と呼ぶことに由来する。

(2023.12.6更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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