バス幅 【bus width】
概要
バス幅(bus width)とは、コンピュータ内部のデータ伝送路であるバスが一回の転送動作で運べるデータ量。「32ビットバス」といったようにビット数で表される。コンピュータの主基板(マザーボード)上では、CPUやメインメモリなどの主要部品を「バス」(bus)と呼ばれる共用の伝送路が結んでいる。バスの制御回路が一度の動作で運べるビット数がバス幅で、32ビットバスであれば32本の信号線を同時に使用して、一度に32ビットのデータを運ぶことができる。
バス幅はCPUが一度に処理できるビット数に連動して拡張され、32ビットCPUであれば32ビットバスを、64ビットCPUであれば64ビットバスを用いることで本来の性能を十全に発揮することができる。ただし、技術革新の端境期には、CPU内部は32ビット処理だが外部バス幅は従来通り16ビットといった設計になる場合もある。
データバス幅
バスのうち、データを伝送するものを「データバス」(data bus)という。CPUとメインメモリなどの間で処理に必要なデータを伝送するためのバスで、その幅が広いほど、高速にデータを出し入れして処理を高速化することができる。クロック周波数など他の条件が同じならば、64ビットバスは32ビットバスの2倍、16ビットバスの4倍、8ビットバスの8倍のデータ伝送能力がある。
アドレスバス幅
バスのうち、データ伝送の対象となるメインメモリのアドレス(番地)を指定するデータを運ぶものを「アドレスバス」(address bus)という。アドレスバスの幅が広いほど広いメモリ空間を直接的に管理することができるため、コンピュータの扱うメモリ容量の上限を大きく左右する。
例えば、16ビット幅の場合は64KiB(216バイト)まで、32ビット幅では4GiB(232バイト)まで、64ビット幅では16EiB(264バイト)までの範囲を単一の領域として管理することができる。
(2021.8.27更新)