オペランド 【operand】 被演算子 / オペランド部
概要
オペランド(operand)とは、数式を構成する要素のうち、演算の対象となる値や変数、定数などのこと。プログラミングの分野ではこれに加えて、プログラム中の個々の命令・処理の対象となるデータや、データの所在情報(レジスタやメモリアドレスなど)のこともオペランドという。例えば「a+10」という数式において「a」「10」がオペランドである。また、コンピュータプログラムでは「mov AX, FFFFh」(x86系アセンブリ言語)という命令文において「AX」「FFFFh」がオペランドとなる。
一方、「+」「mov」のように演算や命令の種類、内容を表す部分のことは「オペレータ」(operator)と言い、数式の場合は「演算子」という。アセンブリ言語では「ニーモニック」(mnemonic)、機械語(マシン語)では「オペコード」(opcode)とも呼ばれる。
演算子の種類によっていくつの被演算子を対象とするかは異なる。「a++」のような被演算子が一つだけのものは「単項演算子」、「a+b」のように2つ取るものは「二項演算子」、「c ? a : b」のように3つ取るものは「三項演算子」という。
算術演算などでは二項演算子をよく用いるが、数学の数式では「a+b」のように被演算子の中間に演算子を記述する記法が一般的である。これを「中置記法」という。一方、コンピュータ科学では「+ a b」のように演算子を前に置く「前置記法」(ポーランド記法)や、「a b +」のように置く「後置記法」(逆ポーランド記法)を用いる場面がある。
(2024.2.1更新)