ハードリセット【hard reset】ハードリブート/hard reboot
概要

具体的には、リセットスイッチや電源ボタンの長押しによってハードウェアを電気的に初期化し、システムを立ち上げ直す。利用者の操作によって意図的に行われる場合と、電源の瞬断などにより意図せず発生する場合がある。
OSによる通常のシャットダウンでは、実行中のプログラムを順に終了させ、ファイルシステムの更新を済ませた上で再起動する。ハードリセットではこうした手順を省略するため、プログラムは終了処理を行えず、メモリ上のデータは失われる。
ハードリセットが行われるのは、OSの起動に失敗して機器が通電状態のまま操作不能になった場合や、起動後にシステムが完全にフリーズし、キーボードやマウス、画面の操作を一切受け付けなくなった場合である。組み込み機器やサーバでは、異常を検知したウォッチドッグタイマーが自動的にハードリセットを実行し、運転を再開させる仕組みも利用されている。
強制的な再起動であるため、ストレージへの書き込み中に実行されるとファイルシステムの整合性が失われ、保存途中のファイルが破損したり、次回以降の起動に支障をきたしたりする危険がある。近年のOSやファイルシステムには障害発生時の復旧機能が備わっているが、書き込み中のデータが失われる可能性を完全になくすことはできない。通常はOSの再起動やシャットダウンを優先し、それらが実行できない場合の最終的な手段として用いられる。
ハードリセットと対比される用語に「ソフトリセット」がある。ソフトリセットはOSやファームウェアの機能を利用して再起動する方法であり、可能な限り正規の終了処理を行ってから再起動する。なお、英語の “hard reset” は、機器の内部データを消去して購入時の状態に戻す初期化(ファクトリーリセット)を指すのが一般的であり、物理的な強制再起動は “hard reboot” という。日本語のIT分野では双方の意味で混用される傾向があるため、文脈による誤解が生じる場合には英語に合わせて「ハードリブート」など言い換えて表現されることも多い。