アウトオブオーダー実行 【out-of-order execution】
概要
アウトオブオーダー実行(out-of-order execution)とは、CPU(マイクロプロセッサ/MPU/の高速化手法の一つで、命令の実行順を本来の順序(プログラムにおける出現順)に縛られずに準備が整ったものから次々実行していく方式。パイプラインやスーパースカラで命令の実行を並列化しているプロセッサでよく用いられる手法で、他の(実行前の)命令と依存関係などがなく、必要なデータが揃っていてすぐに実行開始できる命令を、命令の並び順に関わりなく実行する。
命令をプログラム上の出現順通りに実行する方式を「インオーダー実行」(in-order execution)というが、ある命令がメモリからのデータ読み込み待ちなどで停止してしまうと、その先にある命令が実行可能でも、前の命令の実行が終わるまで待たされてしまうという問題があった。
アウトオブオーダー実行ではこのような場合に先にある命令を別のパイプラインに投入して実行開始することで、無駄な待ち時間の発生を抑えている。実行順が入れ替わることで処理結果に矛盾をきたしては意味がないため、演算結果などは一時的な記憶装置(バッファ)に保管しておき、実行開始が古い順に結果をメモリなどに反映させるという制御が行われる。
(2022.11.10更新)