メニーコアCPU 【many-core processor】 メニイコアCPU
概要
メニーコアCPU(many-core processor)とは、マルチコアプロセッサの種類の一つで、数十を超えるような多数(many)のプロセッサコアを単一のICチップに集積したプロセッサ製品のこと。汎用のCPU以外にも数値演算コプロセッサやGPU(グラフィックスプロセッサ)などの形態を取ることがある。単体で演算や制御を実行できるひとまとまりの回路群を「プロセッサコア」と呼び、これを複数内蔵して並列に複数のプログラムを実行できるようにしたマイクロプロセッサを「マルチコアプロセッサ」(multi-core processor)という。
パソコンなどに内蔵される一般的なマルチコア製品はコア数が2、4、6、8、10、12といった数だが、数十から多いもので数万に及ぶような大量のコアを内蔵して大規模な並列処理を可能にしたプロセッサをメニーコアCPUという。
単体でOSやアプリケーションを実行できるようなフル機能の汎用コアを大量に集積するのは困難かつ高コストで、単体のプログラムを大量に並列動作させる需要も限られるため、現在よく見られるメニーコアプロセッサはプログラム側で複数のコアを用いて並列処理を行うことを前提に、コアの機能を絞って特定の用途や処理に特化した製品が多い。
米インテル(Intel)社の「Xeon Phi」のようにCPUに追加して並列計算を行うコプロセッサ(演算ボード)のような製品や、スーパーコンピュータの計算ノードの要素技術として用いられる専用のプロセッサなどである。GPUも描画処理用の単純な計算に特化したコアを何千基と内蔵した、ある種のメニーコアCPUであると考えることができる。
(2022.5.12更新)