デュアルプロセッサ 【dual processor】 デュアルCPU / DP / 2CPU / 2way
概要
デュアルプロセッサ(dual processor)とは、一台のコンピュータにマイクロプロセッサ(CPU/MPU)を2つ搭載し、並列に動作させること。2つのプログラムを同時に実行することができ、性能を大幅に向上させることができる。現代ではほとんどの場合は同じプロセッサを2基搭載し、それぞれが同じようにプログラムを実行するが、初期の大型コンピュータなどでは演算用と入出力制御用といったように仕様や役割の異なるプロセッサが分担して処理を行うASMP(非対称型マルチプロセッサ)方式もあった。
それぞれが独立に処理を行うと同じ資源を同時に使おうとする競合が発生したり、互いに相手の資源の解放を待ち合って停止するデッドロックが発生する危険があり、適切に制御するためにチップセットなどの制御回路やOSはデュアルプロセッサ対応のものを用意する必要がある。
CPUそのものの処理性能は2倍になるが、メインメモリやデータ伝送路などは共用であることなどから、システム全体の性能は単純に2倍になるわけではない。性能向上だけでなく、一方が故障などで停止してももう一方で処理を継続できるなど、信頼性向上の効果が見込める場合もある。
近年では一つのマイクロプロセッサの内部が2つの独立した処理装置に分かれているデュアルコアプロセッサ(dual core processor)が一般的になり、構成や性能などはデュアルプロセッサとほぼ変わらないが、プロセッサと外部の通信路や内部の一部の回路(キャッシュメモリ)など共用部分がデュアルプロセッサより多いため、単体の性能が同じならデュアルプロセッサの方が性能が高い。
シングルプロセッサ (single processor)
一台のコンピュータに一つのマイクロプロセッサ(CPU/MPU)を搭載した構成のことをシングルプロセッサという。ほとんどのコンピュータはこの構成であるため、プロセッサが2つのデュアルプロセッサ、さらに多いマルチプロセッサ(multiprocessor)と対比する文脈でのみ用いられる用語である。
(2018.4.23更新)