シリアルバス 【serial bus】
概要
シリアルバス(serial bus)とは、コンピュータ内部の装置間や本体と周辺機器を接続する伝送路であるバスの一種で、1本の信号線で1ビットずつ順番に信号を伝送するもの。狭義にはRS-232C方式のことを指す場合もある。バス(bus)はコンピュータの構成要素間でデータを送受信するための通信路で、電子基板内のICチップ間の接続(内部バス)や、コネクタで接続された基板間や装置間の接続、ケーブルで接続された周辺機器との接続(外部バス)などに分かれる。
シリアルバスはデータを送受信するための信号線が片方向につき1本(双方向で2本)だけ用意されており、1ビットずつ順番に信号を伝送していく。信号線や端子自体は複数用意されていることが多く、制御信号やクロック信号、アース(GND)などのために用いられる。
一方、複数の信号線で同時にデータを送受信し、一回の転送動作で複数ビットをまとめて伝送するバスを「パラレルバス」(parallel bus)という。1990年代頃まではパラレルバスの方が転送速度が高かったため大容量のデータを送受信するプリンタ接続(IEEE 1284)や外部ハードディスク接続(SCSI)などに用いられ、シリアルバスは低速で構わない用途を中心に利用された。
この時代に広く普及したシリアルバスの標準規格にRS-232Cがあり、狭義にはこれを指して、あるいは後継のRS-422、RS-485なども含めた総称としてシリアルバスと呼ぶことがある。2000年代以降はパラレル伝送の高速化が頭打ちとなり、新しい伝送規格はほぼシリアル伝送に回帰したため、広義にはUSBやSATA、IEEE 1394、PCI Expressなど現代的な規格の多くがシリアルバスに分類される。
(2023.10.26更新)