電源ユニット 【power unit】 PSU / Power Supply Unit

概要

電源ユニット(power unit)とは、電気機械の部品の一つで、外部から電源ケーブルを通じて電気を受け取り、交流と直流の変換や降圧などの操作を行って機器内の各装置への決められた仕様の電力を供給するもの。

日本では一般的な家庭用電源は電圧100V(ボルト)の交流(AC:Alternate Current)だが、多くの電気製品や内部の装置、回路は数Vから数十Vの直流(DC:Direct Current)の電気で動作する。電源ユニットは機器内部で両者のギャップを埋める働きをする。

送配電網から電源ケーブルを通じて供給された電気は、機器内部に取り付けられた電源ユニットに投入され、適切な電圧の直流に変換されて内部の各装置に供給される。機器によっては交直変換を「ACアダプタ」など外部の別の装置で行う場合もある。電源のオン・オフも電源ユニットによって切り替える。

パソコンの電源ユニット

デスクトップ型やタワー型など据え置き型のパソコンやサーバでは、筐体内部の隅に箱型の電源ユニットが装着されている。各国の一般的な100~220V程度の交流電源から受電し、5~12V程度の直流に変換して各部品に供給する役割を果たす。

側面の一つが筐体背面にむき出しになるようにできており、この面に外部から電源を供給するための接続端子がある。反対側にはマザーボードストレージ装置など内部の各部品に電力を供給するための多数の電源ケーブルがついており、ケーブルの先端は接続する装置の種類に応じて数種類のコネクタに分かれている。

一般的な製品は200~300W程度の給電能力があり、発熱が大きいため側面の一つを占有するほどの大きな冷却ファンがついていることが多い。形状や大きさによっていくつかの規格が決められており、AT電源やATX電源、SFX電源などの種類がある。

コンピュータの電源ユニット製品には「80 PLUS」という民間の認定制度があり、交流から直流に変換する際のエネルギー効率が80%以上であることを示す。米エコバ(Ecova)社が機器の認定を行なっており、変換効率の高さに応じて「Standard」「Bronze」「Silver」「Gold」「Platinum」「Titan」の6段階の等級が設けられている。

(2024.7.2更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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