エラッタ【errata】エラータ
概要

CPUやチップセット、マイクロコントローラなど半導体製品において、出荷後の検証や運用の過程で発見された設計上の欠陥や仕様との不一致をメーカーが文書化し、エラッタとして公開する。記載内容には、特定の条件下で誤動作する回路上の欠陥や、その影響範囲などが含まれる。問題の中には極めて限定的な条件でのみ発生するものもあれば、利用環境によっては重要な影響を及ぼすものもある。
ソフトウェアの不具合は更新プログラムやパッチにより出荷後でも修正できる場合が多いが、ハードウェアの回路に起因する欠陥は、製造後に修正することが事実上不可能である。そのため、システム開発者や組み込みソフトウェア開発者は、採用するプロセッサや周辺デバイスのエラッタ情報を事前に確認し、不具合が発生する条件を回避するコードを記述する必要がある。このような対処方法は「ワークアラウンド」と呼ばれる。
メーカーは新たな不具合が判明するたびにエラッタ文書を更新してWebサイトなどで公開するとともに、後続の製造ロットや新しいリビジョンで設計を改良する。近年では、プロセッサ内部のファームウェアであるマイクロコードを起動時に更新することで、一部のハードウェアの不具合をソフトウェア側から実質的に修正する手法も一般的になっている。ただし、すべてのエラッタがこの方法で解消できるわけではない。
出版や学術論文、製品マニュアルなどの分野では、本来の語源通り、出版後に判明した誤りを訂正するための正誤表という意味で「エラッタ」という語が用いられる。既存の内容を新しい情報に改訂・更新するための読み替え表や新旧対照表を指す場合もある。法令や規格の改正に伴い、旧版の記述を新版の記述に置き換えるための対応表が配布される例などがこれに当たる。文脈によって「誤りそのもの」を指すか「誤りを通知・訂正する文書」を指すかが異なるため、対象が製品なのか文書なのかを踏まえて解釈する必要がある。